【補足】合金

 2種類以上の金属を溶かし合わせるか,金属に非金属を溶かし込んだものを合金という。合金にすることにより,もとの金属にない優れた性質を持つようになり,単体で用いるよりも,色々なところで利用されている。

 

 表.主な合金

 
 

【補足】セラミックス

 本来,セラミックスとは土器・陶器・磁器といった「やきもの」を意味した。今日では,非金属の無機質固体材料を意味する。陶磁・セメント・ガラスが例である。

 

陶磁

 粘土を水でこね,ろくろなどで成形する。十分乾燥すると水分が90%除かれる。その後,約700℃で焼く(素焼きという)と,水分がほとんど除かれる。さらに,釉薬(うわぐすりともいい,色々な金属の化合物からなる顔料)を塗り約1300℃で焼き(本焼きという),ゆっくり冷やす。この課程を経て磁器ができあがる。磁器は硬く,水にとけない。これは,焼くことにより粘土の成分が部分的に融け,粘土粒子が接着して固まること(焼結という)による。

 

表.陶磁の種類

 

セメント

 2つの物体を貼り合わせるものをセメントという。一般に建築材料として使われるセメントは,ポルトランドセメントである。これは,石灰岩(CaCO3),珪酸質粘土(SiO2,Al2O3,H2Oなど),酸化鉄(Fe2O3)を粉砕し混ぜ合わせ,回転釜で約1500℃に加熱・焼結させた焼結体(ケイ酸カルシウムとアルミン酸カルシウム)に少量のセッコウCaSO4H2Oを加えて微粉砕した混合物である。セメントに砂利と砂混ぜたものをコンクリート,セメントに砂を混ぜたものをモルタルという。

 セメントに水を加えると,セメント粒子の水和が起こり硬化する。セッコウは硬化のプロセスをおそくするためにくわえられる。



表.一般的なセメントの組成                                                              
 

ガラス

 ガラスの主成分は二酸化ケイ素SiO2である。SiO2は天然では石英や水晶として産出し,砂状のものはケイ砂とよばれる。これらは,SiO2の正四面体構造が三次元的にいくつも結合した結晶である。例えば石英ガラスは,石英を約2000℃に加熱・融解し,成形し,凝結させたものである。この固体では,SiO2の配列が結晶でみられる規則性がない。このような粒子の配列に規則性のない固体を非晶質(アモルファス)という。ガラスは非晶質で,決まった融点がなく,ある温度幅で軟化する。この温度を軟化点という。


表.ガラスの種類



ファインセラミックス(ニューセラミックス)

 従来のセラミックスは,さびない・硬い・熱に強いという長所があるが,もろい・温度変化に弱い・加工しにくいという欠点がある。そこでこの欠点を除くため,精製した原料や人工的に合成した原料(炭化ケイ素SiC,窒化ケイ素Si3N4)を用いた製品をファインセラミックスといい,IC(集積回路)の基板,ガスタービンやエンジン,人工骨や人工関節,など,幅広く利用されている。


表.ファインセラミックスに用いられる素材                                                                          

 

複合素材(2つ以上の異なる材料を一体的に組み合わせた材料)

繊維補強プラスチック(FRP,強化プラスチック)

  ガラス繊維,炭素繊維などで織った布をプラスチックに塗り固めた素材。スキー板,テニスラケットなどに用いられる。  

繊維強化金属(FRM

セラミック繊維,金属繊維にアルミニウム,マグネシウム,チタンなどの金属を組み合わせた素材。航空機部品などに用  いられる。

 ほうろう 

金属の表面にガラス質の釉薬を塗り焼き固めたもの。

 鉄筋コンクリート 

コンクリートは圧縮には強いが,引っぱりには弱いので,逆の性質を持つ鋼と組み合わせた素材。